
インプラントの相談
鮫の肝油生産がピークを迎えた1939年には、肝油のために900万トンの鮫が漁獲された。
それが1950年にビタミンAが合成されてから漁獲されなくなった。
今日の、自然な製品への関心の高まりなどから考える,と、鮫の肝油は再び有力なビタミンA源として復活しそうである。
医学ジャーナリストのM・w博士は、ビタミンA以外のものも供給するとして、鮫のことを泳ぐ栄養工場と呼んでいる。
w博士はビタミンA以外のものとして、スウェーデンの研究者、A・p博士も提唱していることだが、人間の傷ついた組織の治癒を促進する成分をあげている。
この成分は白血球をつくるのを助けたりするので、ノルウェーの医者などは鮫の白い肉を食べるのは放射線被曝からの回復にいい,という。
蛋白をy博士は、皮層にはコラーゲン繊維やGAG(グリコサミノグルカン糖体の別、後述)と呼ばれる複雑な構造のものがあるのを知っていた。
この両者を研究室で結びつけることができ、化学的、倫物理的な処置でその周囲に健康な皮層の生成を促す柔軟で順多孔性のものができると、博士は信じた。
GAGを鮫の軟骨から抽出し、牛皮から抽出したコラーゲンの溶液のなかに混ぜた。
それからフリーズ・ドライし、成形し、殺菌した。
ついで、人間の皮層の表層に似せてシリコンの接着剤を付け加えた。
体表面の60パーセントに火傷を負った交通事故の犠牲者に、1979年、これを最初に試した。
人工の皮層を3週間貼り付けたままにしておき、それからはがしてみると、血管もある新しい組織ができていた。
その後のテストで、神経の端末もそこに再生されていることが確認できた。
人工の皮層への応用のほかに、鮫の軟骨はカプセル剤、クリーム、粉末、座薬、注射液として、1970年代初めごろから炎症の治療剤として利用されてきている。
たぶん、これから健康面でも利用法がもっと多方面で発見されるだろう。
鮫の商業上の利用が盛んになるにつれ、鮫の乱獲を心配する意見があちこちで多く出てきている。
事実、いまでも推定で毎年500万〜700万トンの鮫が漁獲されている。
この数字は、香港やシンガポールで使われる、ひれスープ用に売られている乾燥きせた鮫のひれの量から逆算した推計である。
この数字は過去15年来、一定の水準を保ちつつ、すこしずつ増加傾向を示している。
これは鮫の資源にまだ余裕があることを示唆しているようだ。
確かに、激しい乱獲には予防策が必要と思われる。
しかしより大事なことは、この有益な資源を無駄に捨てることなく有効に活用することである。
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